2012年6月3日日曜日

医療用医薬品 : ワンデュロ


慢性肺疾患等の呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]

喘息患者[気管支収縮を起こすおそれがある。]

徐脈性不整脈のある患者[徐脈を助長させるおそれがある。]

肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれやすくなるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]

頭蓋内圧の亢進、意識障害・昏睡、脳腫瘍等の脳に器質的障害のある患者[呼吸抑制を起こすおそれがある。]

40℃以上の発熱が認められる患者[本剤からのフェンタニル放出量の増加により、薬理作用が増強するおそれがある。]

薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

本剤を中等度から高度の癌性疼痛以外の管理に使用しないこと。

本剤の使用開始にあたっては、主な副作用、具体的な使用方法、使用時の注意点、保管方法等を患者等に対して十分に説明し、理解を得た上で使用を開始すること。特に呼吸抑制、意識障害等の症状がみられた場合には速やかに主治医に連絡するよう指導すること。

重篤な呼吸抑制が認められた場合には、本剤を剥離し、呼吸管理を行う。呼吸抑制に対しては麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が有効であるが、麻薬拮抗剤の作用持続時間は本剤より短いので、観察を十分に行い麻薬拮抗剤の繰り返し投与を考慮すること。

他のオピオイド鎮痛剤から本剤への切り替え直後に、悪心、嘔吐、傾眠、浮動性めまい等の副作用が多く認められることがあるため、切り替え時には観察を十分に行い、慎重に投与すること。なお、これらの副作用は経時的に減少する傾向がみられる。

他のオピオイド鎮痛剤から本剤に切り替えた場合には、患者によっては、あくび、悪心、嘔吐、下痢、不安、振戦、悪寒等の退薬症候があらわれることがあるので、患者の状態を観察しながら必要に応じ適切な処置を行うこと。

本剤を増量する場合には、副作用に十分注意すること。

連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
また、乱用や誤用により過量投与や死亡に至る可能性があるので、これらを防止するため観察を十分行うこと。

連用中における投与量の急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。

重篤な副作用が発現した患者については、本剤剥離後のフェンタニルの血中動態を考慮し、本剤剥離から24時間後まで観察を継続すること。

2012年6月1日金曜日

むずむず脚症候群 - Wikipedia


むずむず脚症候群(むずむずあししょうこうぐん、英: restless legs syndromeRLS)は、身体末端の不快感や痛みによって特徴づけられた慢性的な病態である。レストレスレッグス症候群(-しょうこうぐん)、下肢静止不能症候群(かしせいしふのうしょうこうぐん)ともいう。

むずむず脚症候群は、ヨーロッパでは17世紀からこれに相当する病気の報告があり、1960年になり米国のエクボン博士により同博士の名前を取って、エクボン症候群(英: Ekbom syndrome)と初めて名前が付けられた。日本では1997年に日本睡眠学会に米国より現状調査の依頼があり、日本国内で俄かに注目されるようになった。現在では広く見られる神経疾患となり、患者が脚を動かさずにはいられない状況から、「下肢静止不能症候群」とも呼ばれる。この項では、以下RLSと記載する。

[編集] 症状と特徴

自覚症状として、じっとした姿勢や横になったりしていると主に下肢の部分に(患者によっては、脚のみならず腰から背中やまた腕や手など全身にまで現れる)「むずむずする」・「じっとしていられない」・「痒い」だけでなく、「ピンでなぞられているような」・「針で刺すような」・「火照るような」・「蟻やミミズなどの虫が這っているような」などの異様な感覚が現われ時には「振動」のような感覚まで感じたりする場合もある。また「激しい痛み」を感じるなどさまざま。この苦しさは「脚の中に手を突っ込んでかき回したいぐらい苦しい」と表現する患者もいて、この症状の辛さを表している。

このむずむずとした不快感や痛みなどの不快な異常感覚・身体症状が下肢や腰・背中・腕などに出現するため、患者はこれを抑えるため常に脚を動かしたり身体をさすらなければならない状況に追い立てられる。

3分の1の患者では週に2回以上、中等症から重症の症状が起こる。特に夕方から夜間にかけて症状が増強するという特徴(勿論、日中でも症状が出現)があり入眠障害・熟睡障害や中途覚醒のような睡眠障害の要因となり、また日常の座ったままやじっとした姿勢の活動を阻害されるため放置していると日常生活に大きな影響を及ぼす。この結果、副次的症状として昼間の疲労感を引き起こす。