治頭瘡一方の読み方について・・・・。
「ぢづそう」?「ちずそう」?「じずそう」?
先日、漢方外来責任者の沙織氏あてのメールの中に、「治頭瘡一方」の50音順・検索表において、「し」の項目に位置して記述されているため、「見落とした。」「ち」の項目に変更すべきであるとのお客様意見がございました。
沙織氏が、丁重に謝罪申し上げ、早速業務担当の橘くんに訂正を指示したところ、彼女が申すには「じ」で正解とのこと・・・。愛読書の漢方ブック(T大学名誉教授著)には確かに「じずそう」と記載されている。沙織氏がこれにはびっくり!
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ところが・・・・姉の木村くんがここで同じく愛読書の「漢方雑誌」(K大学医学部教授著)を持ってきて、「ぢづそう」と記載されていると反論した。
さらに業務の大前氏が「そりゃあおかしい。」と言って、治療(ちりょう)の「ち」、頭脳(ずのう)の「ず」だから「ちずそう」だろう・・・・と。
それぞれ、一歩も引かずの「治頭瘡」論争にまで発展し、過日、わが社の「医薬品採用委員会」の議題にもなったわけでして、少々情けないです。
私の意見?・・・特にないです。そもそも中国古代に命名された処方名を無理に「ひらがな」に変換するわけですから、こういう事も「あり」でしょうね。
ま、とりあえず接客での影響を考慮し、当 面は「ぢづそう」で統一していきましょう!で、この騒ぎは終結いたしました。汗
治頭瘡一方の処方名の意味するものは?
「頭瘡を治癒させる処方の一つ」、「頭瘡を治癒させるベストな処方」、「頭瘡を治療するにあたってのファーストチョイス!」などなどいろいろな意味合いが込められている処方名と思います。真の意味は処方を完成させた先人ら自身が知ることですから、あまり憶測では申し上げられません。私が申せば陳腐になるでしょう。(笑)
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そもそも、治頭瘡一方の効能発祥は乳幼児の湿疹や、頭皮等にできる「くさ」(きたない湿疹状の皮膚炎等)を目的として処方が構成されております。ただ、当店ではあまりお子様を対象にはこの処方を用いません。最近のお子様はとても腸管がデリケートなため、少しの「大黄」成分でもひどい下痢症状をきたすことが多いのです。「解毒」の概念から言えば正解なのですが、驚いた母親から即クレームがつくこともあるでしょう。
従って大人の方でも妊婦さんには、又は妊娠をこれから「予定」されている女性にはご紹介しておりません。
治頭瘡一方の当店での用い方
当店では、この「治頭瘡一方」を成人� �過ぎてから生じるいわゆる「難治性のアトピー」に主に使用いたします。
但し、証は「中間証〜どちらかいうと実証」かつあまり解毒がなされない、つまり便秘傾向のお客様に繁用いたします。
個々の症状により投薬期間、単一処方又は合方(がっぽう)する処方に食い違いはありますが、当初の投薬期間は概ね2ヶ月に設定いたします。
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過去の当店漢方外来において特に合方して好結果を生み出した処方の筆頭は「温清飲(うんせいいん)」でしょう。
首周囲が赤くなり、頬から額一面にかけてのヒリヒリ感を伴う猛烈な痒み、特に頭部には「おでき状」になったかさぶたなどが点在し、夜間就寝時に引っ掻いてしまい、浸潤した部分も散見できるという悪化している状態の時、かつ本来は乾燥肌であるならば「治頭瘡一方」と「温清飲」を同時に合方することが多いと思います。
また、あまりにも痒く、分泌物が多い場合には、「温清飲」ではなく、「消風散」を用いることが多いと思います。
「治頭瘡一方」は、特に首から上の発赤時には奏効し、早い方は一ヶ月の経過を待たず赤みがとれることが� ��く、お客様からはかなり好評な処方とも言えます。
ただし、前述しましたように、解毒効果がかなりある処方ですので、軟便症、下痢症体質のお客様にはおすすめできません。
近年、いろいろな意味での「アレルギー症状」が増加し、東洋医学的に言ういわゆる「水毒」症例も多いかと思います。その中で特に男性の方の軟便や下痢症のご相談も多く、この場合には「治頭瘡一方」は候補から除外いたします。
いずれにしても、アトピーに関わる方剤又は新薬は極めて多くあり、反面「これだ!」と言われる処方がなかなか存在しないのも事実です。
長年ステロイド外用剤を使用してきたためのステロイド皮膚炎、真菌症、二次感染症などと混在し、さらに複雑化することにより治癒を遅らせているのが現状で、今後は副作用の少ないかつ効き目のよろしい新薬開発が急務と考えます。
そのような背景の中で漢方療法の位置づけ、価値観は極めて高く、自身に適合した漢方処方を1日でも早く見つけることが大事かも知れません。
以下、処方をご覧になられ、「えっ!こんなにあるの??」と驚かず、自分の証に適合する処方を概略だけでもご参考頂けたらと思います。
� ��の表の中でも、成人アトピーの場合は、治頭瘡一方 と 温清飲 の合方処方、又は単独処方、又は消風散 との合方処方、又は単独処方が多いのが特徴で、さらに小児アトピーのケースでは温清飲単独処方、当帰飲子、柴胡清肝湯と、それぞれ個々の症状に応じて繁用されております。
梔子柏皮湯につきましては、特に痒くて就寝しにくいなどの主訴ある場合に、主薬に加減する方法論をとらさせて頂いております。
対アトピーの漢方療法は日々根気を必要とし、正直申してコストもかかります。
どうぞ諦めずに、こつこつお続けになるようお奨め申し上げます。
なお、こちらには詳細記載はいたしませんでしたが、当店では外用剤(軟膏)は、紫雲膏を中心として、症状に応じタイツコウ軟膏、中黄膏の使い分けを推奨しております。この18年間、薬局オープン以来この方法論のみで実施しております。その詳細は≫
今、アトピー性皮膚炎で用いられている漢方処方(周辺症状の緩和や体質改善を含む)
※黄色いラインの処方は当薬局漢方外来での繁用処方です。
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