コーカサスを題材にした昔のソ連映画では、花嫁にするために女の子を誘拐するシーンが出てくる。
道端を歩く女の子を抱きかかえ、叫び声を上げながら抵抗する彼女を男たちが無理やり車に押し込める様子や、その後、監禁された女の子が脱出を図るという冒険が面白おかしく表現されている。これは、旧ソ連の人なら誰しも知っているコーカサスの慣習、誘拐婚を描いたものだ。この誘拐婚とは現実には一体どんなものなのか。
グルジアのアフメタ市にある、国連難民高等弁務官事務所が支援した、建設中の乳製品工場敷地
120を超える民族が共生していた旧ソ連、そこにはロシア人らのスラブ系民族とは全く異なる文化圏がある。コーカサスや中央アジアのキルギス、カザフスタンなどで、誘拐婚の伝統が続いてきた。しかし、ソ連が崩壊して20年経ち、この誘拐婚の伝統にも、西欧化が大きく影響を与えているようだ。
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誘拐されてから一夜が過ぎてしまうと…
誘拐婚はグルジアのようにキリスト教徒が多い地域でも北コーカサスやキルギスのようなムスリムの多い地域でも行われてきた、何百年も続く土着の慣習であった。
また、親が結婚に反対している恋人同士が結婚に踏み切るために行われることも多かったが、道端で女性に一目惚れした男性が、友人らと共謀してその女性を誘拐する例もある。
ルールはこうである。男性らに女性が誘拐されると、たいていはその男性の親戚の家に監禁される。誘拐されたと知った女性の親戚が、女性を引き渡すよう、交渉に出向く。
しかし、誘拐されてから発見されるまでに一夜経ってしまうと、女性の家族は諦め、女性にその男性と結婚するように促す。実の母親に「この家に嫁ぎなさい」と言い放たれ、泣きじゃくったという女性の話は何度も聞いたことがある。
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男性の親戚もまた、女性を監禁している間、女性がその男性との結婚に合意するように説得する。その時に暴力を振るったり、女性に手を触れたりするようなことはしてはならない。
婚約者がいたのに誘拐された18歳のヘーダ
2週間後には2年付き合った恋人との結婚式が予定されていたヘーダは、見知らぬ男に誘拐されたので、頑なに結婚を拒否した。
「君は自分でこの男のもとに来たんだろう?」
と、18歳のヘーダは監禁されているところに入ってきた回教僧に尋ねられた。
「いいえ、違います!」
と大声で叫んだ。すると、
「そんなことを言ってはいけない。黙ってうなずきなさい」
と困ってしまった僧に小声で言われた。
彼女はどんな説得にも応じず、問い掛けにうなずかなかったため、年長の親戚が見張りをしていた若い男たちを殴って、もっときちんと説得するように怒鳴ったという。
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